神に感謝

今朝も気温はおそらく３～４℃というところだろう
外は凛と冷えていて気持ちがいい
家内がフリースを着ているので　薪ストーブの火を一度元気よく燃やしてやる
遠赤外線がじわりじわりと部屋と体を暖めていく　

ホンダのＦ６Ｃはマフラーを社外品に替えてから　プラグは真っ白
そのままではピストンやバルブも逝ってしまうだろうと危惧していて
とりあえず　音もジェントルな走りをモットーとする（？）わたしに似あわない爆音だったので
２度にわたり消音を施す　排気抵抗が増えて燃焼温度は下がるハズなのだが　まだ　白い

そこでプラグの熱価を６番から９番まで上げてみたけど　やはり碍子の周りは白い塔の様になっている。
しかたがないのでメインジェットを上げる事にする
ここまで腰が重いのには　訳がある。
Ｆ６Ｃは6キャブレターであってそれがタンクの直下にある　
しかもダウンドラフト風にフロートのネジは内側を向いていて　完全に脱却しないと交換出来ないのだ。
知り合いのバイク屋に「どう忙しい？」と聞くと
「いろいろバタバタしている」とこのキャブに手を出すのは避けている様な感触

しかたがないので　まずはタンクを外して（これコックがタンクの真下にありそれを遠隔操作しているタイプでこれだけでもちょっとしたもの
すると予想通り　バカでっかいタンクの下にこれまたアホみたいなエアクリーナーが鎮座している。
こいつと格闘しつつ外すとやっとキャブの内側が見えた。
そこからが　まるでパズルの如く外れない
しかたがないのでネットでＦ６Ｃのサービスマニュアルを２万円！叩いて落札しようと思っていたが
入札を忘れて他の人が、、、
どうせ　あんな電話帳の様なモノをじっくり読むタイプではないので
俺が設計者ならどうするだろうと　にらめっこである。

そこから　リンクで繋がっている６つのキャブを外すために
ハーネス、ホース類、イグニッションコイルなどを外してそれでも最後は力技で外した
そこまでくるのに５日を費やした（今度は多分３時間で出来るだろう？）。

キャブが６ケあるってことはチョークも６ケアイドルアジャストスクリューも　６ケ繋がっていて
そのワイヤーやホースの数を見ると
「元に戻せるだろうか？」と不安になる。
いつもの私なら途中で投げだす程の気の遠くなる工程を（大げさに言ってます）
主に願いながら　一歩また一歩と進んでいく（もっと有意義な事を願えよ！”という突込みはナシでお願いします）。

そしてついに今朝完全に全ての部品が繋がった
家のヴィッツよりも大きなエアクリーナーをとりつけ
ついでに国内仕様だけの吸入口のスポンジを外した。
これで名実ともに本来の状態になったのである。

エンジンをかけてみる　キュル、キュル
「あれ？　かかんない？」
いっつもキュル、グゥオンって掛かりが良いのにと不安になるが
こいつは負圧コックだから６つのフロート室にガソリンが充填されるまでに時間がかかっただけ
グルッグル、　グル　とアイドリングを始めた

いつ聞いてもいい音だ

朝食をすませて出すモノを出して　ヒタージャケットを着こんだら準備は完了です。
さて、エンジンの調子は如何に

空気は冷えると密度が増して重くなる
風もない　全く動いてないゼラチンの様な空気を切り裂いてむき出しの体が突き進んでいく感覚は久しぶり　

少し荒っぽくなった様なフィール　すこし力強さもましたか？
バードラインに入り　エンジンも暖まってきたので　全開を試してみる。
合流する時に　ツーリングだろうか軽装の３台の大型のバイクの後になった。
少し一緒に走って頃合いをみて　ウインカーを出し
相手に分かるようにアクションを起こしてから　出来るだけ離れてでも全開で追い越す。
しがみ付きながら　左手を上げてのマナーを示すのも結構大変な加速（感）
一瞬　体から　魂がおいていかれて自分の姿を後ろから見る様な錯覚を感じる

直線にはいり80ｋｍ/ｈ程は出ているだろう３台のバイクを　まるで止まっている様に　後方にして次のシーンではバックミラーから消えた。
正直加速感は、前の方があった様にも　感じるが　これの魅力はそんな所では無い

「はじめに　エンジンありき」の如く

フラット6が作りだす世界　　それがこいつの　ほとんど全て（←超自己満足の世界）
正直マルチはそんなに好きではない　シングルやツインそれもパラレルでは無くＶが好きなのだが
もうそんなことどうでもイイよと言わんばかりの　強引さも嫌いではない。

「こいつのここが好きなんだ！」

そんなわかりやすい単純さ
一回りまわってきて　家に付いて　プラグを外してみる
周りは少し黒っぽいが　中心はキツネ色に焼けている
ニヤリとして　神に感謝したのは言うまでもない（もっと大事な事で神に感謝しろ！という突込みはナシで）。