自転車やバイクが捨てられてボロボロになっていくさまを見るのは何だか悲しい気持ちになる。
それが、錆び一つ無く、新車だったときがあったのだ。
親にか、バイトして買ったか、とにかくそれが届いて、喜んだ日があったはず。
ある日、長野駅の駐輪場に長いこと置いたままのバイクがあった。
状態を見ると盗難車ではないかと思った。
気になる、ある日ついに駅の交番に行ってみた。
「あのー、あそこのバイク盗難車じゃないかと思うのですが、調べていただけませんでしょうか」
一番偉そうな太った警官は見るからに面倒そうな顔で机から。ゆっくりと立ち上がった。
そして一言「どうして、お前にそれがわかる」
「いえ、私は分かりませんので、調べて欲しいと。知る限り半年程置き去りで動かして無いけれど今ならまだ直せますし、持ち主も探しているかも知れません」
警官は
「アレは、ただのゴミだ調べる必要はない」と言った。
「ゴミではないですよ。価値があるんです。何か訳があるんですよ」
警官は呆れた顔で「いいか、あれにはシートがなかっただろう。イスの無い自転車はゴミだ、だからあれもゴミ。そんな事に、構ってられないのだ」
「では、チャックの壊れた財布を私が拾ってお金が入っていてもそれはゴミですか」
「いや、それはゴミではない」
「では、あのバイクもゴミではない調べてください」とこんな話が30分ほど続いた
「では、ゴミを私がひらった事にします。私は取得物として届けますのでその手続きをお願いします」
すると「ゴミだから落とし物として手続き出来ない」という。
「電話を貸してください。本部に確認します」と、担当に聞くとゴミの様な物でも一応届け出は出来るという。
「では、お願いします」と言うと苦々しい表情で「持ってきてもらわないと手続きが出来ない」という。
「では、持ってくるので」と言うと「此処にはあんな大きな物は置けない」という。「じゃあ、どこならいいんだ」と聞くと「中央警察署には置くところがある」という「じゃあ、そちらに運ぼう」というと。「重いし、私たちはパトカーしかないから運べないし、時間もない」と言う。頭にきたので「じゃあ俺が今運ぶ」とユニックをレンタルして運んだ。
一月が過ぎた頃バイク屋から電話があった。
「あなたの拾ったバイクの持ち主が見つかりましてうちで修理中です。では。」という事だった。
なぜ、警察からではないのかとも思ったがそんなことはどうでもいい、あのバイクは本来の持ち主の所に戻ったのだ。
乗り物は持ち主に乗ってもらってこそ価値がある。
私も本来の持ち主の所にある事が、私としての一番の価値であり喜びです。
俺はお節介だな。ただ神様も結構お節介かもしれないと考えている。
電気屋さん、あなたは本当に良い人だね。エライ!!
返信削除ところで、能登の方では拾う(ひろう)事をひらうと云うのですかね?
誰かさんあたりなら、意味が通じればどうでも良いだろう、と云われそうですが、どうにも気になって・・・・。
ありがとうございます。
返信削除途中からはただ、意地になっただけでしょうね。
ブログを始めると色んな事が思い返されて自分でも面白いやら恥ずかしいやら。
なるほど、方言だったわけですね。
ご指摘ありがとうございます。
またつかうかもしれませんね。