2010年10月28日木曜日

自然の中のネジレ

話が長いですし、少し恐い虫の話ですので弱い方は読まないでください。

ネジレバネという昆虫を見た人はなかなかいないと思います。
ほとんどを蜂の中で過ごすからです。
ネジレバネ目の他の昆虫目との系統関係はほかのどのグループよりも昆虫学者を悩ませているほどで、幼虫や成虫の形態、ゲノムまでもが極限まで寄生生活の適応に特殊化しているため、いまだ系統的な位置付けははっきりしてない虫。
特にネジレバネの雌は一生をスズメバチの体内で過ごし栄養は全てスズメバチに依存している真の寄生者です。
雄が羽化した成虫は2枚の後翅で飛ぶことができますが,口は退化していて全く餌を採りません.前翅は退化して棍棒状 、羽が捻れているから多分この名前なのでしょうね。
ネジレバネに寄生された働きバチは,巣の中でジッと静止していることが多く、餌集めや巣材集めに外へ出かけることが無い、巣内の作業もほとんどしないが食べたり飲んだり飛んだり刺したりはどちらの意志かはわかりませんがします。一匹のスズメバチに数匹のネジレが住む時もあるらしいですからどんなふうに神経系とつながりどいつが支配するのか不思議です。
そのためネジレバネの寄生率が高くなった巣では,コロニーの発達が阻害されます.
また,新女王やオスがネジレバネに寄生された場合も繁殖活動はしないらしいです。
姿形は蜂なのですが中身は全く違うのですから当たり前ですが様々なコマンドにもしたがいません。。
ネジレバネは寄生率が極めて低く,人目にも触れにくいため生態等についても未知の点が多い昆虫と言われています。
なぜこんな虫の話をするかといえば、ネジレバネに寄生された働き蜂は冬になっても死亡せず越冬をするからです。羽化すればわずか数日の命しかない雄蜂が延命させられていく(と、言ってもゾンビ状態ですが)
彼らの生活環は脚のある一齢幼虫が宿主の体内に寄生した母親から産み落とされるところから始まり。一齢幼虫は脚を使って何とか新たな宿主にたどり着き、表皮に穴を開けて潜り込みます。そして、宿主の体内で脚の無い、うじ虫型の幼虫へと脱皮します。その後、幼虫は成長しますが、皮を脱ぎ捨てることはしません。古い皮を被ったまま成長するのです。雄は蛹を経て羽のある成虫になりますが、メスは蛹期を経ることなく、幼虫型の親となり、宿主の一部から顔を出して雄が来るのを待つのです(一部、雌も体外に脱出するグループいる。また、雌しかいない種も知られる)。
雌は体内で無数の卵を生産し、幼虫の形で産み落とします。
メスの成虫は翅も脚も目も口も無く幼虫のような形をしており全く移動できないので、メスは宿主の腹を破り、頭を出して、性フェロモンを撒き散らしオスを集める。羽化したオスは数時間程度の寿命しかなく必死にメスを捜す。
オスはメスを見つけられても宿主の身体にスッポリは入っているメスと交尾が出来ない。そこで、ネジレバネのメスは頭部に第二の性器というべき穴を形成しており、ここで交尾をする。(この前性行為を経験してない女の子が口で受け取った精子で妊娠したニュースがありましたが、そんなDNA持ったものが増えていくと人でも可能ですね、まあネジレは口すらないですが、、)本来の性器はやはり下腹部に残っているが退化しているらしい。交尾が終了しても卵は母親の体外に出ず、体内で孵化し母親の体を破って出る(卵胎生)。

ネジレバネは生きている宿主の中で生育する「飼い殺し寄生者」です。飼い殺し寄生は、宿主に進入後すぐに宿主を殺して食べ始める(つまり死体を食べる)様式に比べて複雑な様式です。何故ならば、生きている宿主は異物を認識し排除する生体防御系をもっており、それを何とか誤魔化しながら宿主体内に留まり続けなければならないからです。その他にも、複雑な宿主の操作を寄生蜂などは行っています。
ネジレバネの1齢幼虫は宿主に到達した後で、穴を穿ち始めます。たどり着いた後、そこで「何かをする」ようです。観察事実としては上皮細胞層は陥入を開始し、幼虫はその「ポケット」に潜り込む形になります。さらに、陥入が進むと、「ポケット」は根元で切れて独立し、虫を包む「バッグ」となります。バッグは腹部に移動します(移動の仕組みは謎)どうもこのバックが宿主の体なので胎盤の様な役目?。

幼虫はバッグの中で成育を続けます。バッグもそれに伴って大きくなります。バッグは閉じられていますが、ネジレバネは恐らく宿主の血リンパ中から栄養を受け取ると考えられてます。雌はやがて体の前半部を硬化させて頭を宿主の腹部から覗かせますが、柔らかい体内部分はバッグに守られたままになっています。バッグ部分の塩基配列を決めて調べた報告では、間違いなく宿主のものだったらしいので。バネは宿主の皮を被ることで異物として認識されることを避けてるのだろう。
このような生体防御系の回避法はネジレバネの宿主範囲が広いことの大きな理由の一つになっている。(アリ、かめむし、かまきり、ハエにもただし専業種たしかスズメハバチの種類内でもちょっと専業だったかも)
羊の皮をかぶったオオカミという言葉がありますが、この様なモノがいると認識する事は決して無駄ではないと思う。自分に置き換えて考えるとちょっと恐い。いや、かなり怖い

4 件のコメント:

  1. お久しぶりです。
    興味深い話ですね。
    コワイ話です。

    堕落の結果として、被造物が呪いのもとにある、という事を覚えておかないと、ダーウィンと同じように神の御性質を疑ってしまいますね。

    これも堕落の結果なのでしょうから、千年王国ではどうなるのでしょう
    ね。

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  2. おぉ、鳩さん
    これ霊的に考えたらありえそうですよね。

    昆虫界ではほとんど食物連鎖の頂点に立ち
    捕食してもされる事のないスズメバチ(クロスズメバチは世界最大の蜂)が、うじ虫みたいなやつにやられていく様は不思議です。
    外観からは判断できないので攻撃も出来ず、一度進入されると巣の中でばら撒くので悲惨です。
    聖書でも教会に狼が入り込むとあり、
    入ってくるの知っているなら止めてと思うのですが
    深い考えがおありなのでしょう。
    ほんと千年王国どうなるんでしょう。
    そこでも最後来るし、、。
    堕落の結果恐るべしです。はい

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  3. 寄生蜂がいるのは知っていますが、これは初めて知りました。ある意味、クリスチャンもキリストに支配されます様に祈るのみです。

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  4. それは私も思いましたが、
    このケースの場合はなかなかそう受け取れませんでした。
    蜂が蜂でなくなるのですから。
    やっぱ私たちはあくまで人でありますから、人としていきたく願っております。
    でも、エシュコルさんのお言葉は
    アーメンです。

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