2016年3月25日金曜日

ハーレーダビットソン

ハワイから帰ってきてハーレーの事が気になっている。 ネットを見ては溜息、YouTube を再生しては凝視している私を 息子は 「ハワイで良かったからって、日本でもイイかはわからないよ」 と大人の態度で私を諭してくれるが、、、 そんな私はゲーセンかトイザラスに入り込んだ孫息子の様な気持ちになっている。 一応予防接種のつもりでこれ以上はないだろうという私が知る最もハーレーらしい時代の 一品 1982年式ショベルFLTエロクトログライドを数年前に買って乗っていた(5年前かな) オリジナル1340ccのエンジンは拡大され、その車検書には1.53㍑と明記されていて、 その鼓動は現在までも含め今まで乗ったバイク中でも圧倒的 その頃、鼓動感ではマニアの間でも絶賛され、また自分でも相当気にいり乗っていたモト グッチを軽くスイープさせた程。 エボ系のビューエルもアイドリングでは車体をゆすって時には勝手にバックして行くほど だったけど、 FLTは片方ですらナナハンを越えるそのピストンが不等間隔に爆発する力が 385kgもある車体の半分近くにもなろうという巨大なエンジンを揺すぶり、 その揺れが車体全体を震わす、 それは異常に重くて太いフロンフォークごと前輪も2cmは前後させ、そのボディに跨る 全ての者の網膜に映る世界を2重3重にさせてみせた。 その大きな木のハンマーで打つような爆圧は脳みそから眼球までハワイのビックウェーブ のようにまろやかだけど大きく全てを揺らすだけで満足せず ハレンチにもパッセンジャーシートの家内のかなり豊かなヒップを厚座布団を挟んでも1 時間以内でムズ痒くさせたりした、 乗るたび喜びと共に、そのうち中高年になった私の角膜剥離や脳内出血を引き起こすので は無いかと内心マジで心配になる程 なのに決して不快にさせない大らかさも持ち合わせ その排気音もまさに重低音と言うべきものでこれがハーレーだと誰が聞いても確信させてくれる響きで それは地獄の底から聞こえてくる様でもあり また何処か平和を与えてくれる牧歌的でもあった。 高速道では鼓動以外一切の振動は皆無で165km/h以上で野生のバッファローの様に突 き進んだ。 その速度自体はMade in Japanの250でも可能にするモノだったけど、 「なるほど王様ってこうゆうものか、、」 とありありと感じさせてくれた チェスでも将棋でも王様が一番強い駒って訳じゃない、 当たり前だけど王は王だから王なのだ 以前ホンダの並列4気筒FCR4連装マフラーも軽量高性能という1000ccモデルとFLT を何度か交換しながら走ったその友人も首を傾げて 「どうしてだかわからないけどこちらの方が速い気がする、、」と言わしめた おそらく強烈な味わいではそれ以上のモノは無いと今でも言い切っていいと思う。 また他にもハーレー系エンジンの車両は何台も乗り継ぎこれでハーレーは十分楽しんだじ ゃないかと思っていた、それがだ、、 実際ハワイで乗ったスポスタ自体は何でも無い、他のカラーを背負ったメンバーのマシン もそれ程でもない、 じゃあ何がと言えば、ハーレーだからとしか言えない 何かわかんないけど、どうしてかそうさせているとしか言えないかも知れない。 ハーレーのダメな所ならネットを見れば沢山書き込みしてある 重すぎる車体、遅い、太くて遠いレバー、すぐ壊れる、ニーグリップ出来ないポジション 、効かないブレーキ、時代遅れのエンジン、それでいて高額な値段など 軽く指を折ってみても直ぐにハネマンにはなる。 ところが当のハーレー乗りは 「だから、どうだって言うんだ。」 「それが?」 とばかりに、そんな小さな事には気も留めない様に悠々と寝そべった様なスタイルで跨っ て行く。 日本のオートバイメーカー全てがハーレーを越えるハーレーに似たバイクを作ってきた。 あるモノは半分の排気量で、2倍の出力、あらゆる所に快適で新開発、先進的なメカニズムを装備し故障知らず、それでいて値段は遥かに安い 又あるモノは、本家を越える排気量を誇り、その威圧感と高級感も重量感までも素晴らし い、ハーレーを越えたかもしれない、でもハーレーにはなれないんだよね。 FLTに乗っていた時は何に乗っているんですか?と聞かれると 自慢する様でちょっ恥ずかしさもあってだと思うけど 「アメリカンです。」と言っていた。 その頃唯一のアメリカンだっただからだ、悲しい事に全てのその頃の4メーカーのクルーザー達は全て紛れもないジャパニーズだった。
この時代、オートバイ乗りはMな所があるかも知れない 快適で荷物も積め暑くも寒くも無いそんなビークルが安く手に入るのに 未だに雨が降れば濡れ、止まれば倒れる、基本バックすら出来ない 「夏は気持ちよさそうね~」 って思うのはエアコンから流れる人工的な風に吹かれるケイジャーと呼ばれる住人だけで 2輪に乗っている者は真夏がある意味では冬以上に厳しく辛い事を知っている そんなオートバイ乗りだから、、、普通の当たり前の物事の尺度では計れない物を感じら れるかも知れない 更に生粋のバイカーは、もっと積極的かも知れない 彼らは手に入れる事が難しい程、それを手にした時の喜びが大きい事を知っている。 そしてそれを維持していく事も、それと似ている だから古ければ古い程、手が掛かれば掛かる程それはある意味 いとおしいと言っても過言ではない人間たちがいる。 バカだと片付ける事は簡単だ、実は私もそうは思う だけど、何故か、何処か、彼らがとても魅力的に見える もしかしたら自分の知らない何かを知っているのか ボロボロのハーレーで駐車場に乗り付け エンジンの下にスルリと天板の様なトレイの様な受け皿を置いて、 血の様にポタポタと落ち続けるオイルを、さも当然と言った風に悠々と煙草を吹かして吸 い終えたらまた何事も無かった様にパンを仕舞い走って行く。 知らないことは決して恥ずかしい事だとは思わないけど、 興味があるのに知ろうとしないなら、そんな自分はやっぱり恥ずかしく思える。 俺は知ったつもりで、何も知ってなかったんじゃないか 人生は神がやり直す時をくれるなら、まだ遅くない それを知ってどうするとか、それが何の為になると思うならそれで結構 神は人に自由意思を与えているのだから でも55歳にもなってここまで魂を揺さぶるモノはそう無い まさに、4歳児の孫の様な気持ちを味あわせてくれるのだ。 ジョー矢吹の様にまだ俺は燃え尽きていない、 まだ私の傍らの神は俺の立っているリングにタオルを投げてはいないのだ。 ハーレーに乗ろうと思う また、ハーレーに乗ろう

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