2014年9月14日日曜日

ぶどうから出来たもの

 農家の朝は、早い
まだ薄暗いうちに起きて昨日収穫した葡萄の仕込みを始める。
慌てず、焦らず、諦めない、そして最後まで
最近は朝の冷え込みで気温は5℃ほど
絞り終わった後、手を洗うそれでも両手はまだ赤く染まっている。
衣服にも飛び散っているからシャワーを浴びると、冷えた手がジンジンと暖まっていくあの感覚が懐かしい。
昨日いつもの野菜屋さんに寄ったら
「おい、ワイン屋」
と、声をかけられ「これ持って行きな」と積み上げられた葡萄の箱を渡された。
スチューベンと巨峰をそれぞれつまんで口に入れてみる。
「これは、いいワインになりそう。」
 何度か作ってみて、わかってきた事がある。
いいワインとは、素材がほとんど全てで、後はそれをダメにしない管理くらい
去年のワインは、最低で’(ワインとしては)殆んどが酢になってしまった。
あれだけ家内と両手がパンパンになる程、一生懸命潰して、絞ったのに、努力は何の良いワインを作り出す事はなかった。
実は、初めて作ったワインが一番上手くいったので不思議に思っていた。
あまりに簡単に、いいワインが出来たので、軽く考えていたのかも知れない。

今回の葡萄はとても良いものだけど、それでも収穫前に、鳥や虫に突かれて傷がつき
又は、収穫時に移動時に皮が破れたモノもある。
すると葡萄→葡萄酒→葡萄酢に既に変化していてとても酸っぱいモノになる。
だから、今回は、そんなモノをはじいて良質のモノだけで絞ってみた。

時々、手から零れ落ちて地面に転がった実は、、使わない
雑菌が、入り込んで発酵の邪魔をするかもしれないからだ
同じ様に房を持ち上げて振った時にポロポロ落ちる分も基本使わない
しっかりヘタに繋がっているモノなら、間違いなく良い葡萄
箱の中には、既に半分干しブドウの様になっているモノもありましたが、
それでも、ちゃんと繋がっていた、それは収穫後箱の中で乾燥したのでなく
収穫前に、ブドウの木に繋がったまま傷つけられる事無く乾燥したもので
それらは、更に甘い葡萄酒になる

ワイン造りをもし1年に一度しかしなかったとすると
良いワインを造るという実験は、やはり一年に一度しか出来ない
だから30年作り続けていても30回しか試せない。

良い葡萄は自ら、良い葡萄酒になりたがっている。
さて今年のワインが楽しみです。

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