2014年7月26日土曜日

生きねば。

 「BOOKOFF」に立ち寄ることが好きだ。
そこでは、その町の人々の希望や趣味や生き方やその傾向が見える

熊谷に行った帰り、何件目かのBOOKOFFで大人の絵本(バイク乗りの)とも言われる「Ride13」を買った。
その中で今は引退した島田伸介さんの「風よ鈴鹿へ」が掲載されていて
ヤフオクでその後「14」「15」と買い足して読まさせてもらった。

千石清一という一人の愚直なライダーが巻き起こした「風」が読み手にも伝わってくる。
鈴鹿の8時間耐久オートバイレースはメーカーの威信とスピードという狂気と莫大な金(個人レベルでは)が流れているが
最後は、やっぱり「人のドラマ」なんだと、、、


千葉のオフ会の最後の夜
宮崎さんの最後の作品といわれる「風立ちぬ」を見た。

「ものづくり」
主人公はエンジニア。
エンジニアというのは常により良いものを追い求め、情熱を注ぐ、そういうものだろう
まだ世の中に存在していないもの、誰も考えもしなかったものを着想し
問題解決の方法を考え、計算し、実験し、失敗と創意工夫を重ね、ついに実現させる。
それこそ見た目には取るに足らない小さな発明、わずかな改良の積み重ねから世界が変わっていく。
それはいわば奇跡であり魔術にも似ている。
そうして昨日まで世の中に無かったものが目で見える形で現れる。
その夢の実現の喜びの前には個人の人生や政治のイデオロギー等は
あまり意味を持たない。
もっとはっきり言うなら関係ない、それでも本人はいいのだろう。

わたしが今使っているコンピュータ、自動車、携帯電話、着ている服の素材
映像機器、電子記憶媒体、トイレの便座も給湯のお風呂システムも
食べているご飯を炊いた炊飯器から腹痛のとき飲む薬まで
何から何まで全てはどこかの名もないエンジニア達、職人達が寝食を忘れ
休日も返上して愚直なまでに仕事に没頭し血のにじむ努力の果てに作り出したもの。

「「風立ちぬ」は評価の別れる作品なんです。」

と、ちゅまわりさんは仰った。
確かにそうだと思う、結核のキャリァーなのに病院を出たり、そんな彼女と同室で喫煙、そもそも話の流れが、、などなど
娯楽や興業という事を考えれば誰だってああすれば、こうすればというアラが見える。
純粋さって愚かさとか狂気的にも思えるほど淡々と流れていくある意味潔い物語かもしれない。

大概プレゼントいうモノは、誰かの犠牲の上に成り立っている。
鈴木敏夫さんは、本作に対する批判を十分に予期していたはずで、それでも敢えて本作を世に出したのだろう
本作は、鈴木敏夫さんから宮崎さんへの贈り物の様だ。
それを私たちにも見せてくれたのではないだろうか。

何だか、明日の鈴鹿、見に行きたくなった。
「風立ちぬ」のDVDを見せてくれる為にいろいろ帆走してくださった。ちゅまわりさんと、銀じ朗さんにも感謝です。
あの夜は、あれがとても良かったです。

2 件のコメント:

  1. 今日は8耐ですね。僕はBSの生中継で観戦です。今年はどんなドラマが生まれるのか楽しみです。

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  2. いつかまた、バイクにテントとスイカをつんであの暑い夏を味わいたいです。

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