2010年5月3日月曜日

香り2

植物が殺すと言うと何だか不思議な気もしますが、それは事実です。

ィキペディアでは

1930年ごろロシアのボリス・トーキンが、植物を傷つけるとその周囲にいる細菌などが死ぬ現象を発見した。とある。
まあ、ニュートンが万有引力を発見したのと同じでそれ以前から知られその後も変わっちゃいない。
彼らの見習う所は神の造った事に目をとめたって事でしょうか。

日本人も古来からこの作用を使ってきた民族で、ワサビ、ガリやサワラの弁当箱やさくら、笹に巻くと細菌の繁殖を押さえ、食べ物が長持ちすることを知っていたと日本人の私は思いたい。

ヒバの家には何年も蚊も入らないと言われ、桐のタンス、クスノキ(しょうのうの材料)で作ったモノは着物を守る事など先人達はすごいです。
動けない植物にとって香りは自分を守る方法の一つで攻撃性もある。
葉をある程度食べられると摂食障害を起こす物質を出す。タラの芽も1番芽は美味いが2番、3番になると不味くなるしもう食べたくなくなるでしょ。
古くから「忌地(いやち)」と読んできた作用も植物の殺す作用で、コーヒーの木やニセアカシアの周りには雑草がほとんど生えないカラマツやヒノキの林に苗木を植えるとその育ちが悪い、どうぞ今度、檜や杉の林行ってみてください下草がほとんど無く虫もほぼいないそこにはその木の香りが広がっていてその香りが森を守っている。

これはその植物が作り出す香りの成分が空中だけではなく、地面に落ちて最後には土にも染みこませてしまうから。
木は毛虫などに襲われると、毛虫が嫌がる成分を葉に蓄えて食べられないようにするが隣の木にも教える。このおしゃべりは『アレロパシー(他感作用)』と呼ばれています。
アロマとか和漢の薬も同じ作用で人に役に立ちます。最近はこの作用を利用した農薬も開発中らしいです。
理屈はわかるが初め「植物が殺す」(原語はギリシャ語とラテン語の造語でフィトンチッド)と聞いた時、良い気持ちがしなかった。
確かに神様が木を守る術を与えたのだが、殺すって、何だか違和感を感じた。
あの清々しく、良い香りが、、殺す。

セイタカアワダチソウ一時すごく増えて問題になりましたが、最近そんなでもないですよね。
私が小学校の時、理科の先生に「帰化植物のこれは今まで日本の草類の頂点に君臨してきたススキも勝てない」そう教わった事を今でも覚えている。修学旅行で関西行ったとき「これがあれか」と一面黄色くなったその背の高い草を覚えている。
だから最近の劣勢は少し疑問に思っていたのだが、自分を守る成分が強すぎて自らが中毒をおこしてしまうから、3年ほどでへってしまう。金沢の千里浜海岸にすごく繁殖していたニセアカシアがある時一気に枯れてしまった事を父が不思議がっていたがなるほどそういう事で連作の駄目な野菜等も同じですね。

私は自分の吐き出す言葉や思いやりの無い態度で自分が嫌になってしまうときがある。自分で自分を変えようとしたときもあったけどうまくいかなかった。
自分の中に実にいやらしい自分がある事は知っていたが、自分はそんな自分は自分が尊敬出来ない。
自分は自己中という中毒症状になっていた。

私の希望は、かつてエデンに1本だけあり、天では川の両岸に群生している「命の木」その香りが私の臭いを消して、古い私を殺してくれる事。
私の中に植えられたその種から伸びた芽が葉や枝を伸ばす。
その木からふりまかれる香りは風に乗ってまわりにも流れていく。
地に落ちた香りはその土に染みこんで食い荒らすものや雑草もはえない。
私はその香りに包まれているとうっとりして穏やかな気持ちになる。
 

2 件のコメント:

  1. 香に関する考察、興味深いです。

    事務的な最小限の要件以外ほとんど話しかけてこない人がいるのは、私の香のせいなんですね。

    肉の自家中毒もありますが、キリストに似たものに変えられていくプロセスはけっこう客観的に楽しめますよね。

    私の貧しいイメージの中では、手塚治虫の「どろろ」という漫画で百鬼丸が、妖怪をひとつ退治するたびに本物のからだのパーツを取り返す感じがぴったりきます。

    (この間のマジンガーZの話にうまく切り返さなかったので、漫画で語ってみました)

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  2. 事務的な最小限の要件以外ほとんど話しかけてこない人がいるのは、私の香のせいなんですね。"

    守られているわけですね。
    私も
    116:6 主はわきまえのない者を守られる。ともありまして、しっかり守られています。

    どろろのそんな見方があったとは、また、次回に期待しています。

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